2010年05月29日

28日【SS元船長 第2回公判】その2。「くやしい」「頭にきている」 証人の怒りを平然と聞くベスーン被告


 《環境保護を標榜(ひょうぼう)する米団体「シー・シェパード(SS)」元船長のピーター・ジェームス・ベスーン被告(45)が撃ち込んだ酪酸で、顔面を負傷したとされる調査捕鯨船団の監視船「第2昭南丸」の男性乗組員への証人尋問が続く》
 《酪酸を撃ち込まれた男性乗組員の○○さんは、シャワールームに駆け込んだ。シャワールームでは、○○さんとともに船の左舷側にいたAさん(法廷では実名)とBさん(同)は顔を水で洗い流していた。Aさんの顔は赤くなっていたという》
 検察官「甲23号証、写真の2から5を示したいと思います」
 《シャワールームにいた証人を撮影した写真が法廷内の大型モニターに映し出された》
 《写真で証人は、赤くはれた左ほほを指さしている》

検察官「何を指さしていますか」
証 人「一番痛かったところです」
検察官「どう痛かったのですか」
証 人「じくじくして、水ぶくれとなっていました」
裁判長「ズームに拡大していただけますか」

 《写真が拡大される。赤いほほがアップになり、生々しい熱傷の跡が映し出される》
《ベスーン被告は、傍聴席の様子をちらっと見た》

検察官「両ほほのピリピリした痛みがあったとおっしゃいましたね」
証 人「はい」
検察官「ほかのほほの痛みと比べて同じでしたか」
証 人「指で指したところの方が痛かったです」

 《続けて、検察官は翌日の2月12日に、証人の顔を撮影した写真を示した》
 《赤みは消えていたが、両ほほの痛みは残っていたという。左ほほの皮膚は変色し、痛々しい》

検察官「左ほほの変色している部分を指してもらえますか」
証 人「はい」
 裁判長「左ほほのあたりにシミのようなものがありますが、それですか」
証 人「はい」
検察官「変色した部分はどういう状態でしたか」
証 人「薄い皮ができていました。じくじくしていました」
検察官「両目はどうでしたか」
証 人「右目に違和感が残っていました」
検察官「違和感とは?」
証 人「目を開けることはできるけれど、開けづらいかな、という感じです」

 《第2昭南丸には船医は乗船していなかったため、11日、無線で捕鯨船団の母船である日新丸の◇◇船医(法廷では実名)と連絡を取った》
 《船医の指示に従い、顔や目を洗った証人。しかし、痛みが和らいだだけだった》

検察官「◇◇先生から診察してもらったことはありますか」
証 人「はい」
検察官「いつごろですか」
証 人「けがをした2日後です」
 《2月13日、船医は母船におり、離れていたため、証人は船医から無線でやり取りし、診察を受けた》
検察官「どんなことを話しましたか」
証 人「目と顔を水で流したことと、傷の経過についてです」
検察官「◇◇先生の診断結果を聞きましたか」
証 人「聞きました」
検察官「◇◇先生は何と言っていましたか」
証 人「化学熱傷と言っていました」

 《ベスーン被告は姿勢を正してじっと証人を見ている》
 《検察官は、船内でやけどをする環境があったかを確認していく。けがの原因が酪酸以外にないことを証明したいようだ》

検察官「被告人が酪酸を撃ち込む以前から、ほほがはれたり、目が充血することはありましたか」
証 人「ありません」
検察官「痛かったことは?」
証 人「ありません」
 《ベスーン被告は、長いすの背に右手をかけている。視線は通訳と証人を行き来する》
検察官「第2昭南丸に、やけどをするような環境はありましたか」
証 人「あります」
検察官「例えば?」
証 人「蒸気のボイラーと調理場のヒーターと熱湯です」
検察官「それらのものが顔に触ったりやけどしたりはなかったですか」
証 人「ありません」
検察官「どうしてそのようにいえるのですか」
証 人「けがをしたとき、それらの近くにいなかったからです」
検察官「事件当時、水ぶくれになるような病気にかかったことはなかったですか」
証 人「ありません」

 《ベスーン被告はやや前かがみの姿勢で証人をじっと見ている》
検察官「最後に被告人に対する気持ちについて質問します。被告人を含むシー・シェパードが、調査捕鯨を妨害したことについてどう思いますか」
証 人「くやしいし、やめてほしいです」

 《それまで小さい声で答えていた証人は、はっきりとした声で発言した》
検察官「やけどをしたことはどう思いますか」
証 人「頭にきています」
検察官「被告人は、この法廷で妨害を認めていますが、傷害は争っているのを知っていますか」
証 人「はい」
検察官「その主張について君は知っていますか」
証 人「全く反省していないと思います」
検察官「最後に処罰についてどう思いますか」
証 人「本人が反省できるような厳しい処罰をお願いしたいです」

 《ベスーン被告は、落ち着かない様子で、通訳を見ている》
 《ここで弁護人が、「ヘルメットとフェースガードの距離などを計測してほしい」と申し出た。裁判長がこれを認めると、女性事務官が銀色のヘルメットを証人に手渡した。ヘルメットの上部には、透明のフェースガードが付いている。証人は、検察官席に背を向ける形でいすに座り、ヘルメットをかぶってあごの部分のベルトをとめた》

裁判長「当時と同じ状態までフェースガードを下ろしてください」
《証人が「はい」と答えて、ほお骨のあたりまでフェースガードを下ろした。女性事務官がデジタルカメラで、証人の顔を正面から撮影する》
裁判長「次に、見上げた状態の写真も撮ります」
 《証人はいすから立ち上がり、天井を仰ぐように右斜め上に顔を向けた。立ち姿をデジタルカメラで撮影した後、ほほとフェースガードのすき間を測定するために男性書記官がメジャーをヘルメットの中に差し込んだ》
裁判長「どのくらいになりますか」
男性書記官「5・5(センチ)…ですね」

 《女性事務官が、証人の顔をアップで撮影した写真が、法廷内の大型モニターに映された。ここで、裁判長が「ちょっと押しつけてない?」と指摘。確かに、よく見るとメジャーの先が証人の左ほおに食い込んでいる。法廷内が軽い笑いに包まれた。裁判長が「ちょっと顔に触れるくらいにしてください」と注文をつけ、再測定が行われた》
裁判長「何センチですか?」
男性書記官「5センチです」
裁判長「それから、あごの下からフェースガードまでの距離を測定してください」

 《男性書記官がメジャーを証人の顔にあて、女性事務官が横からそれを撮影する。法廷内のモニターに表示された写真を見て、裁判長が「だいたい10センチということでいいですか」と尋ねると、弁護人、検察官らが「はい」と答えた。さらに、フェースガードを完全に下ろした状態でも写真を撮影。フェースガードは、証人のあご上1センチほどのところまで達していた》
 《ここで、裁判長が休廷を告げた。1時間25分の休廷をはさんで午後に再開し、弁護側の証人尋問が行われる》



そのときベスーン被告はメモを取る手を止めた…びっしり書き込まれたノート

多和田隆史裁判長「弁護側から反対尋問があります」
 《傍聴席から見て一番奥に座る男性弁護人が立ち上がり、弁護側の証人尋問が午後2時15分まで続くことを告げる》
弁護人「シー・シェパード側からランチャーで物を撃ち込んできたのは平成21年度の23次調査期間中が初めてですか」
証 人「はい」
弁護人「ランチャーにより撃たれた酪酸(らくさん)入りの瓶が船に着弾したのは(○○証人が負傷したとされる)平成22年2月11日が初めてですか」
証 人「はい」
弁護人「それまでにランチャーを使用して何かが撃ち込まれたところを見たことはありますか」
証 人「ありません」
弁護人「11日の出来事を尋ねます。ベスーンさん(被告)が乗るボートが近づいてきて、併走しているのを見ましたか」
証 人「はい」
弁護人「そのとき、ベスーンさんがランチャーを構えているところを見ましたか」
証 人「はい」

 《弁護人は大型モニターに船の見取り図を映し出し、○○さんが当時いた場所を確認する。○○さんは左舷のコンパニオン(ブリッジ下の構造物)近くの上甲板にいたことを証言する》
弁護人「そのとき、かぶっていたヘルメットのフェースカバー(ガード)を下ろした状態でしたか」
証 人「よく覚えていませんが、下ろしていたと思います」
弁護人「上甲板にいるとき、海からの波しぶきをかぶることはありますか」
証 人「海の状態によります」
弁護人「2月11日は海は荒れていましたか」
証 人「そこまで大きな波はなかったと記憶しています」
弁護人「海水のしぶきを体に浴びる状況ではなかったということですか」
証 人「はい」
弁護人「(ボートの上の)ベスーンさんを見たとき、フェースカバーはぬれていましたか」
証 人「よく覚えていませんが、ぬれていなかったと思います」
弁護人「視界は悪くなかったということですか」
証 人「はい」
弁護人「ほかの日のことでも結構ですが、フェースカバーを下ろした状態で海水を浴びた経験は?」
証 人「ありません」
弁護人「海水が水滴より細かい霧のような状態で体にかかったことはありますか」
証 人「あります」
弁護人「そのとき、フェースカバーを下ろしていて中に(海水が)入ってきましたか」 

 《弁護人は、フェースカバーを下ろしていながら酪酸が顔にかかったとする検察側の主張に疑問を持っているようだ》
証 人「なかったと思います」
弁護人「さきほどの実験のようにフェースカバーを半分ぐらいまで下ろしたとき、海水のしぶきを顔に直接浴びたことは?」
証 人「ありません」
弁護人「ベスーンさんがランチャーを発射する瞬間は見ていないと証言していましたね?」 
証 人「はい」

 《ベスーン被告が後方の弁護団の方を振り返り、しきりに何かを訴える。尋問をしている弁護人とは別の男性弁護人が小声で応じる》
弁護人「そのとき、上方(のブリッジ)を見上げたと言っていましたね。自分の方を撃ってくると思わなかったのですが」
証 人「ランチャーの筒先がブリッジの方を向いていたので、直接狙われるとは思いませんでした」
弁護人「身の危険は感じなかったのですか」

 《証人はすぐに返事をしない。女性通訳は少し首をかしげながら、証人の言葉を待っている》 
証 人「もう1回、お願いします」
 《弁護人が同様の質問を繰り返す》
証 人「安心はしていませんでした」
弁護人「見上げていたとき、立ったままでしたか。かがんだり、座った状態でしたか」 
証 人「立った状態でした」
弁護人「恐怖を感じたとき、身をかがめたり、ランチャーを凝視して自分のところに撃ってこないか確かめたいというのが一般的な心理だと思います。なぜそうしなかったのですか」
証 人「ブリッジを狙っていたので、そっちを見ました。自分が狙われるとは思いませんでした」
弁護人「ランチャーが発射されたとき、フェースカバーはどこまで下ろしていましたか」
証 人「鼻のあたりです」
弁護人「恐怖を感じたとき、なぜ下まで下げなかったのですか」
証 人「短い時間に起き、そこまで考えていなかったです」
弁護人「ランチャーが撃たれてから、目などに痛みを感じるまでの時間はどれくらいですか」
証 人「5秒以内でした」
弁護人「ガラスの破片が降ってきて、それを浴びましたか」
証 人「ありません」
弁護人「上の方から液体が降ってきて、浴びた感触はありますか」
証 人「ありません」

 《弁護人は証人尋問を通じて、○○さんの近くに酪酸入りの瓶が着弾していない可能性をあぶり出したいようだ》
弁護人「霧のようなものが降ってきた感触は?」
証 人「ありません」

 《さきほどベスーン被告と話していた男性弁護人が後方からノートをベスーン被告に手渡す》
弁護人「顔に痛みを感じてからコンパニオンまで移動したときは1人で歩きましたか」 
証 人「誰かが近くにいたと思いますが、覚えていません」
弁護人「介添えされて歩いたか、1人で歩いたかは覚えていますか」
証 人「歩いて移動したのは間違いないですが、そこは、はっきり覚えていません」
弁護人「シャワールームに移動するとき、ガラス片を踏んだ感触は?」
証 人「ありません」
弁護人「ジャリジャリした物を踏んだような感触はありましたか」
証 人「なかったと思います」
弁護人「2月11日に(母船「日新丸」に乗る)船医に電話して、直接話をしましたか」
証 人「無線で話しました」
弁護人「あなたが無線を使って、連絡したのですか」
証 人「診断してもらうために症状をしゃべりましたが…。すみません、質問の意味が分かりません」
弁護人「直接、会話したのですか」
証 人「はい」
弁護人「船医に様子を口頭で伝えたのですか」
証 人「はい」

 《弁護側から手渡されたノートにペンを走らせていたベスーン被告が手を止めた。ノートがわずかに傾き、書き込んでいたページが傍聴席に見えたが、半分近くが文字で埋まっていた》


クリアその1 クリアその2 次項有その3 クリアその4

クリアSS(シー・シェパード)元船長 初公判 その1
クリア「シー・シェパード代表は間違っている」「家族恋しい」拘留の被告が激白 その他色々



posted by 大翔 at 11:11 | 青森 🌁 | Comment(0) | TrackBack(0) | 裁判 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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