26日、スペインと対戦したサッカー男子日本代表。スペインのサッカークラブは東日本大震災でいち早く復興支援を打ち出し、実際に被災地にも訪れた。1万キロの距離を超え、結ばれた絆。震災を通じてスペインの温かさに触れた被災者は両チームに声援を送った。
「スペインを応援するつもりだったけど、日本にも頑張ってもらいたかったし…」。東京都豊島区の学生寮。テレビを見つめる都立足立工業高校3年、新妻光(にいつま・ひかる)さん(17)の心中は複雑だった。
東京電力福島第1原発事故で福島県富岡町から退避した。両親と姉、弟は約70キロ離れた同県大玉(おおたま)村へ避難したが、工業高校への転校を希望した新妻さんは都内で1人暮らしを選んだ。
スペインを意識するようになったのは、あの日から。昨年12月13日、サッカーのクラブ世界一を決めるクラブワールドカップ(W杯)で来日したスペインの名門バルセロナの選手と、都内で避難生活を送る小中高生11人との交流会が横浜市のサッカー場であった。
「小柄で優しい目。握手した手は温かかった」。バルセロナのFWメッシ(25)と出会った。交流会は震災で傷ついた子供たちの心を優しく包み込んだ。バルセロナに所属するDFアルバ(23)やDFモントーヤ(21)、FWテージョ(20)はスペイン五輪代表だ。
スペインのサッカー界は震災にいち早く反応した。「われわれは日本とともにある」。バルセロナと、ライバルのレアル・マドリードは震災直後にさまざまな形でメッセージを発信。バレンシアは選手名をカタカナにしたユニホームで試合に臨んだ。選手らは義援金の協力を呼びかけた。レアルは3月、被災地のサッカークラブに所属する小中学生37人を本拠地のマドリードにも招待した。
交流会で「NITSUMA」と記されたユニホームをメッシからプレゼントされた新妻さんは実家に送った。自分だけでなく、家族への贈り物に思えたからだ。ユニホームは家族が暮らす借り上げ住宅の居間に飾ってある。
新妻さんは「震災後初めての五輪で世界中に日本人はがんばっていると示してくれた。スペインの人たちにも本当に感謝している。一緒に決勝トーナメントにいけるといい」と話した。家族とのつながりも作ってくれたスペイン戦を見て、改めて胸が熱くなった。
ミリャ・スペイン監督の話
「日本はいい戦いをした。われわれはコンディションが良くなかった。日本の11番(永井)はとても速かった。スペースを使われた」(共同)
君が好き / エル

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タグ:サッカー
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