【4月5日 AFP】「渝新欧鉄道(Yuxinou Railway)」は中国内陸部の大都市、重慶(Chongqing)とドイツ西部の工業都市デュイスブルク(Duisburg)を結ぶ貨物鉄道だ。「現代のシルクロード」と呼ばれ、欧州―アジア間の輸送を大きく変えると期待されている。
2011年に全線開通した渝新欧鉄道は全長約1万1000キロ。中央アジア、ロシア、ベラルーシ、ポーランドを経由する。
ライン(Rhine)川とルール(Ruhr)川の合流点に位置するデュイスブルクは、世界最大級の内陸港を有するドイツ有数の輸送中継拠点。一方、重慶には、米アップル(Apple)製品を製造する台湾の大手電子機器メーカー、富士康集団(フォックスコン、Foxconn)や台湾パソコン大手エイサー(Acer)、自動車部品メーカーなどの工場が集積する。
重慶―デュイスブルク間の輸送所要日数はわずか16日で、海上輸送よりも20日以上短縮できる。中国の主要海港から1500キロ離れている重慶にとって、この鉄道の役割は特に大きい。デュイスブルク港の広報を担当するユリアン・ベッカー(Julian Boecker)氏はAFPに「この鉄道には単なる象徴的な意味合い以上の価値がある」と話す。
■速さは海上輸送の2倍、コストは航空輸送の半分
採算性を向上させるため、欧州行きと中国行きの両方向で貨物量を増やすことが課題だ。渝新欧鉄道は最大でコンテナ50個分の積載能力を持つが、デュイスブルクに向かう際は貨物がいっぱいで中国へ戻る時は空っぽということも珍しくない。ドイツの鉄道コンサルティング会社SCIフェアケーア(SCI Verkehr)のマリア・レーネン(Maria Leenen)ディレクターは「現段階では中国から欧州に向かう貨物の方がはるかに多い。これは問題だ」と話した。
数百年前に、アジアと欧州をつなぐ交易路シルクロードに徐々に取って代わっていったのは海上輸送だ。物流コンサルタント会社ISLのブルクハルト・レンパー(Burkhard Lemper)氏によると、アジアと欧州との間の貿易量の95%以上は船による輸送だという。
貨物輸送市場における鉄道のシェアはまだ小さく、渝新欧鉄道は現在の輸送システムを補完しているに過ぎないが、デュイスブルク港の運営会社のエリッヒ・シュターケ(Erich Staake)社長は「鉄道は、速さは海上輸送の2倍でコストは航空輸送の半分」と話した。
SCIフェアケーアのレーネン氏は「鉄道輸送の歴史はまだ浅い。安全や定刻運行、関係国の政情などの面で問題がなければ将来性はある」と話した。(c)AFP/Estelle PEARD
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